記事の要点はこちら!
Stable Diffusion用のPCスペックでは、グラボの処理能力とVRAMの容量がもっとも重要です。
ゲーミングPCに搭載されているグラフィックボードはAI画像生成と相性が良いものの、ゲーミングPCの選び方とは少し違う視点で選ぶ必要があります。
この記事ではStable Diffusionにおすすめのパソコン、Stable Diffusionの推奨スペックについて詳しく解説していきます。
Stable Diffusion用のパソコン選びで迷っている方は是非参考にしてみてください。
用途別&価格別に紹介!
Stable Diffusionの推奨スペック・必要なグラボ
Stable Diffusionのローカル環境の1つであるStable Diffusion web UIでは下記のスペックが要求されています。
- VRAM4GB以上のグラボに対応
- 16GBのメインメモリを推奨
しかしAIイラストはPCゲームのように一定のラインを超えれば良いものではなく、生成速度やエラー発生率をどこまで許容できるかが重要になります。
ストレスを感じない速度でAIイラストを生成するには、最低でもVRAMを12GB搭載した「RTX3060」が必要です。
この項目ではStable Diffusionの最低スペック・推奨スペックを解説しているので、参考にしてください。
推奨スペック・推奨動作環境
このスペックでは快適に利用できません…
CPU | Windowsやブラウザが快適に動作するCPU |
メモリ | 16GB |
GPU | VRAMを4GB以上搭載したグラボ |
このスペックは512×512サイズの画像を生成できる最低限のスペックなので、トライアンドエラーを繰り返すAI画像生成では生成速度が遅すぎてかなりストレスが溜まります。
より高解像度の画像を生成したり、拡張機能を使用したりすると更に速度が落ちるので、このスペックでイラストを作るのは現実的ではありません。
AIでのイラスト生成を快適に行いたい方は次に紹介するスペックを参考にしてください。
当サイトが考える真の推奨スペック
予算は12~30万円必要になります!
CPU | Intel Core i5-12400/Ryzen 5 4500 |
メモリ | 16GB |
GPU | RTX3060などVRAMの多いNVIDIA製GPU |
Stable Diffusionでの処理性能はほとんどグラボとVRAM容量だけで決まるので、12GBのVRAMを搭載した「RTX3060」などのVRAM容量の多いグラボがおすすめです。
VRAMが多いグラボであれば、高解像度のイラストを高速で生成できます。
合わせてStable DiffusionはNVDIA製グラボは最適化が進んでおり、最適化されていないRadeonはおすすめしません。
CPUはAIイラストの生成そのものには関係ないため、古い世代のモデルでも問題ありません。
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Stable DiffusionはグラボなしPCでは動作すらできないので注意
- エラーや処理落ちで生成できない
- 生成できても1枚の画像に数十分の時間がかかる
- パソコンの寿命を縮める
グラボ無しではStable Diffusionを使用してイラストを生成することはできません。
CPUでStable Diffusionを使用する方法もありますが、グラボなら数秒で終わる処理がCPUだけでは数十分かかってしまうこともあります。
AIイラスト生成においてCPUとグラボでは性能に雲泥の差があるので、まともなイラストを作成するためにはグラボは必須です。
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Stable DiffusionおすすめクリエイターPC
おすすめモデルの特徴はこちら!
- 低価格モデルかつVRAM容量で選ぶなら「RTX3060搭載PC」
- コスパでパソコンを選ぶなら「RTX4070搭載PC」
- 爆速でAIイラストを作成したいなら「RTX4080搭載PC」
- ノートPCでAIイラストを作りたいなら「RTX4060搭載ノートPC」
この項目ではおすすめのデスクトップPCを3台、ノートパソコンを1台紹介していきます。
各モデルでAIイラストの生成速度はもちろん、AIイラストの生成中もマルチタスク環境が変わってきます。
自分の予算と相談しておすすめモデルをチェックしましょう。
- 信頼できるメーカーのモデルであること
- 推奨スペックを超えていて、短期でなく長期で使えること
- 各モデル帯の中でもコスパの高いモデルを選出
低価格モデルかつVRAM容量で選ぶなら「RTX4060搭載PC」
NEXTGEAR JG-A5G60
価格:134,800円
コスパ | |
スペック寿命の長さ | |
おすすめ用途 | PC初心者向け RTX40搭載最安値 |
CPU | AMD Ryzen 5 4500 |
グラボ | GeForce RTX 4060 |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 1TB (NVMe) |
メリット・デメリット紹介
- 予算を抑えてAI画像生成を手軽に楽しめる
- 同価格帯のPCの中では、ほぼ最速でAI画像生成ができる
- 重い最新ゲームを高設定で遊んだり、高度な動画編集をするにはややスペック不足
予算を抑えてAI画像生成を始めてみたい方には「RTX4060搭載PC」がおすすめです。
RTX4060にはVRAMを8GB搭載しており、RTXシリーズの中では格安かつVRAMも十分なスペックです。
容量の多いVRAMは高速に画像を生成できるのはもちろん、高解像度の画像を生成する際のエラーや処理落ちも減らせます。
これからStable DiffusionでAI画像生成を始める方にはおすすめのモデルです。
コスパでパソコンを選ぶなら「RTX4070Ti SUPER搭載PC」
NEXTGEAR JG-A7G7A
価格:299,800円
コスパ | |
スペック寿命の長さ | |
おすすめ用途 | ゲームやクリエイター用の ソフトを快適に動かしたい |
CPU | Ryzen 7 7 7700 |
グラボ | GeForce RTX 4070 Ti SUPER |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 1TB Gen4 SSD |
メリット・デメリット紹介
- AI画像生成向けでは現状最高のコスパを誇るGPUを搭載
- クリエイティブな作業も快適なCPU
- 最新のPCゲームも遊べるハイスペック
- 最安値モデルに比べるとかなり値段が上がる
より高クオリティーで高速な画像生成を求める方には「RTX4070Ti SUPER搭載PC」がおすすめです。
「RTX 4000シリーズ」はVRAM仕様がGDDR6Xになっており、「RTX 3060」のVRAM仕様であるGDDR6と比べて一度にやり取りできるデータの量が増えています。
AIイラスト生成ではVRAMの容量を目一杯使った処理が行われるので、VRAMの性能向上は他の用途に比べて影響が大きく、処理性能の向上と合わせて価格差以上の速度アップが見込めます。
ゲーム制作や動画編集に適した高性能CPUも搭載されているので、AIで作った素材を最高のクオリティーで自分の作品に活かせます。
スペックを妥協せずにAIでイラストを作りたい方におすすめのモデルです。
爆速でAIイラストを作成したいなら「RTX4080 SUPER搭載PC」
DAIV FX-A9G80
価格:479,800円
コスパ | |
耐用年数 | |
おすすめ用途 | あらゆる本格的な創作活動 |
CPU | Core i7-14700KF |
グラボ | GeForce RTX 4080 SUPER |
メモリ | 32GB |
ストレージ | 2TB (NVMe Gen4×4) |
メリット・デメリット紹介
- 爆速でAIイラストを生成できる
- 高解像度画像の生成やアップスケーリングも可能
- 4K・最高設定で最新のPCゲームも遊べる
- 下位モデルと比較するとコスパは悪い
とにかく速くAIイラストを作成したい方におすすめなのが「RTX4080搭載PC」です。
VRAM量が16GB搭載されており、1枚1枚の画像生成が非常に高速なので、大量の画像を生成してより好みに近い画像を見つけるのも簡単です。
下位モデルでは処理落ちしてしまうような高解像度画像の生成やアップスケーリングも楽々とこなせます。
試行回数が重要なAI画像生成で、1回の作業時間を減らせるのは長期的に見てかなりメリットが大きいです。
本格的にAIでイラストを作成したい方にはおすすめのモデルです。
ノートPCでAIイラストを作りたいなら「RTX4060搭載ノートPC」
GALLERIA XL7C-R46
価格:237,980円
コスパ | |
耐用年数 | |
おすすめ用途 | FPS入門・最新ゲーム |
CPU | Core i7-13700H |
グラボ | RTX 4060 8GB |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 500GB NVMe SSD |
ディスプレイ | 144Hz 15.6インチ FHD非光沢 |
メリット・デメリット紹介
- 場所を選ばずにAIでイラストを作成できる
- デスクトップPCと比べるとゲーム用途以上にコスパが悪い
- 長時間AIイラスト生成を行うと故障しやすい
場所を選ばずにAIでイラストを作りたい方には「RTX4060搭載ノートPC」がおすすめです。
ただし、ゲーミングノートPCはAIイラスト生成にあまり向きません。
VRAM容量が8GB以下のGPUを搭載したモデルがほとんどなので、同じ価格帯のデスクトップPCと比べるとゲーム用途以上にコスパが悪いです。
また、AIイラストの作成では数時間から数十時間に渡って非常に高い負荷をグラボにかけ続けることもあります。
ノートPCでは高負荷時の熱をうまく逃がせず、故障する危険性が高くなってしまいます。
Stable Diffusion向けパソコンの選び方・要点まとめ
選び方の要点はこちら!
- AIイラスト用のグラボはVRAMが重要
- VRAM容量の関係でノートパソコンはAIイラストに不向き
- RadeonグラボはAIイラストに不向き、NVIDIA製がおすすめ
- AI生成画像の容量は大きいのでストレージも増設しておくと安心
Stable Diffusion用のPC選びではグラボの処理性能とVRAMの容量が非常に重要です。
快適な画像生成には少なくとも「RTX 3060(VRAM12GBモデル)」が必要で、予算は13万円ほど必要です。
この項目ではStable Diffusion向けのPCの選び方をわかりやすく解説しているので、参考にしてみてください。
AIイラスト用のグラボはVRAMを重視しよう
グラボの型番 | VRAM容量 |
---|---|
RTX 4080 | 16GB |
RTX 4070 Ti | 12GB |
RTX 4070 | 12GB |
RTX 4060 Ti | 16GB/8GB |
RTX 4060 | 8GB |
RTX 3060 | 12GB |
AIイラストの作成にはVRAMが最も重要で、VRAMが多いほど生成速度が速い&最大解像度が高くなります。
例えば、「RTX 4060」は1つ前の世代の「RTX 3060」よりも処理性能は上ですが、VRAM容量が減らされています。
「RTX3060」はゲーム用グラボとして見ると最近はスペック不足になりがちなものの、AIイラストにおいては高いコスパを発揮しています。
グラボ選びは何よりもVRAMの容量を優先し、容量が同じ場合は伝達容量の関係で最新世代に軍配が上がります(ただし最新世代は価格も上がるのでコスパは下がります)。
VRAM容量の関係でノートパソコンはAIイラストに不向き
RTX 3060 (ノート) | RTX 3060 (デスクトップ) | RTX 4070 (ノート) | RTX 4070 (デスクトップ) | |
---|---|---|---|---|
VRAM容量 | 6GB | 12GB | 8GB | 12GB |
VRAM仕様 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6X |
ノートPC用のグラボは同じ型番でもデスクトップ用よりVRAMが少なく、モデルによっては古い仕様のVRAMが搭載されていることもあります。
AI画像生成においてVRAMの性能はパフォーマンスに直結するので、デスクトップPCよりも生成速度が落ちてしまいます。
高負荷時の熱にも弱いので、AIイラストにノートパソコンを使用するのはおすすめしません。
RadeonグラボはAIイラストに不向き、NVIDIA製がおすすめ
Stable DiffusionはNVIDIA製グラボの性能を最大限発揮できるように調整されています。
また、イラストの生成を高速化するXformersという機能に対応しているのもNVIDIA製のグラボだけです。
今後Radeon製のグラボも最適化される可能性はありますが、現状ではNVIDIA製のグラボの方が圧倒的にコスパが良いのでAIイラスト用のグラボはNVIDIAを選びましょう。
AI生成画像の容量は大きいのでストレージも増設しておくと安心
ストレージを使用する要素 | ファイルサイズ |
---|---|
Web UI(ローカル環境) | 12GB |
モデルファイル | 50GB(5GBx10個) |
Lora(画風指定ファイル) | 30GB(300MB × 100個) |
生成画像 | 500GB(1日100枚を1年分) |
拡張機能(Controlnet等) | 10GB~20GB |
合計 | 110GB |
900 × 1600程度の比率の画像は1枚あたり2MBの容量が必要になるため、単に画像を保存するだけでもストレージを圧迫します。
加えてStable Diffusionでは生成される画像の方向性を決めるための数GBのモデルファイルがあります。
1つのモデルファイルでは同じような画像しか生成できないので、好みのイラストを生成するためにモデルファイルをいくつも用意するとかなりの容量になります。
BTOの購入時にHDDを増設したり、外付けのストレージを購入しておくとよいでしょう。
用途別&価格別に紹介!
Stable Diffusion用に中古のグラボ・クリエイターPCは絶対にやめておこう
- 酷使されたグラボが大量に出回っている
- メーカーの保証がない
- 古いグラボはStable Diffusionで性能を発揮できない
中古のグラボは故障するリスクが高く、メーカー保証も無いので新品のグラボ・クリエイターPCを購入しましょう。
特に、RTX2000番台のグラボは仮想通貨のマイニング用途で大量に酷使されていたので、要注意です。
需要が低下した今は中古市場に大量に出回っているので、マイニングでボロボロのグラボを購入してしまう可能性が非常に高いです。
購入者がグラボの使用状況を見分けるのは不可能なので、中古でグラボ・クリエイターPCを購入するのは絶対にやめておきましょう。
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Stable Diffusion用パソコン・推奨スペックに関するよくある質問
- スマホやブラウザだけでも利用できる?
-
スマホやブラウザから利用するStable Diffusionを使用したサービスとPCにインストールして使うStable Diffusionは別物です。
スマホから利用するサービスはサーバー上のグラボを利用して画像を生成します。
そのため利用制限が厳しかったり、高額な利用料がかかったりします。
- Stable Diffusionにグラボは必要?
-
PCにインストールして利用する場合は、CPUだけでは動作しないので絶対に必要です。
手持ちのグラボを利用すると利用制限なしで画像を生成でき、画像のスタイル変更や細かい調整も可能になります。
- Stable Diffusion用のおすすめのグラボは?
-
予算は抑えたいけど、そこそこ生成速度が欲しい方には「RTX 3060(VRAM12GBモデル)」がおすすめです。
スペックは妥協せずに、高コスパなモデルが欲しい方は「RTX 4070」がおすすめです。
- Stable Diffusionに向いたCPUはある?
-
Stable Diffuisonの処理はほとんどグラボだけで完結するので、画像生成だけならCPUは重要ではないです。
動画編集ならCore i7以上、PCゲームならグラボに合わせたボトルネックにならないCPU、といった具合に他にやりたいことに合わせて選びましょう。
用途別&価格別に紹介!
Stable Diffusionの推奨スペック・おすすめPCのまとめ
記事のまとめはこちら!
- AIイラストの生成にはVRAMの容量が重要
- 快適な動作には13万円以上の予算が必要
- 最もコスパが良い「RTX4070搭載PC」がおすすめ
Stable Diffuisonでのイラスト作成ではグラボの性能とVRAMの容量が重要です。
CPUやメモリの性能は重要ではないので、グラボの性能は妥協しないようにしましょう。
ストレスを感じない速度で画像を生成するには最低でも13万円以上の予算が必要になります。
Stable DiffusionはNVIDIAのRTX 4000シリーズに最も最適化されています。その中でも1番コスパの良い「RTX 4070」を搭載したモデルがおすすめです。
- 低価格モデルかつVRAM容量で選ぶなら「RTX3060搭載PC」
- コスパでパソコンを選ぶなら「RTX4070搭載PC」
- 爆速でAIイラストを作成したいなら「RTX4080搭載PC」
- ノートPCでAIイラストを作りたいなら「RTX4060搭載ノートPC」
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